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例会時間割 | | |
開催日 | 令和6(2024)年2月3日(土) | |
※ 会場(渋谷区氷川区民会館)での対面方式による発表となります。また、リモート形式の配信も行います。リモート例会お問合せフォームより申込みいただいた方に招待状を送付します。 | | |
時間割 | 所要時間目安 | 内 容 |
13:00 | 30分 | 開場、渋谷区氷川区民会館、Zoomアカウント開始、案内等 |
『[評釈]宮沢賢治短歌百選』執筆者が語る | | |
※会場での対面方式。リモート配信あり。 | | |
13:30 | 30分程度 | 発表一人目、渡辺福實氏 |
| 10分程度 | 質疑応答 |
14:15 | 30分程度 | 発表二人目、尾崎道明氏 |
| 10分程度 | 質疑応答 |
14:55 | 15分程度 | 休憩・案内 |
15:10 | 30分程度 | 発表三人目、小田部浩二氏 |
| 10分程度 | 質疑応答 |
15:50 | 30分程度 | 発表四人目、須長裕子氏 |
| 10分程度 | 質疑応答 |
| 15分程度 | 予備時間 |
16:45 | | 終了、退出。 「リモートの懇親会」はありません。 |
※会場にお越しの方は、会場整理費500円をご負担下さい。リモートの場合の参加費は必要ありませんが会員限定です。会員でない場合はどうしたらよいか? | | |
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『[評釈]宮沢賢治短歌百選』執筆者が語る
当会が毎隔月13年に亘って開催してきた短歌読書会の成果として、『[評釈]宮沢賢治短歌百選』を上梓するに至りました。今回の例会は、形式を少し変えて、以下の様に、百選執筆者から選んだ四名の方に「解説、語り足らない部分の補説の提示、主張など」をお願いし、ご発表いただきます。
※会場における対面方式の発表です。
※ リモート配信もあります。会場はいつもの
渋谷区氷川区民会館です。
※ なるべく各自で『[評釈]宮沢賢治短歌百選』をご持参下さい。
一人目 百選p448 歌稿A680 あゝこはこれいづちの河のけしきぞや人と死びととむれながれたり 渡辺 福實(わたなべ・ふくみ)氏
本発表(例会における口頭発表)の主な目標は、「語り足らない部分の補説の提示」である。実は、昨年末の第2刷で最小限の補足を加えているので、今回の発表はその補足の補足ということになる。したがって本発表では第2刷のテキストをもとに説明することになる。第2刷の修正はあくまでも補足であってテーマそのものを変えたわけではない。連作「青びとのながれ」は悪夢のような凄惨な光景が繰り広げられ迫ってくる異様な作品なのであるが、賢治はそのようなユニークなイメージやモティーフをどこから得たのであろうかということがテーマである。そのようないわゆる発生源の探索のために5例ほどの仮説や証言を紹介したのであるが、初刷ではそれらの例から導かれるべき結論を欠いているか曖昧であったために第2刷で最小限のコメントを補足して明らかにしたわけである。要点は以下の3点である。
1. 始めに東西の古典的文学作品や絵画にイメージ源を探る仮設を3例挙げたが、そのあとに挙げた教え子と弟清六の2つの証言のほうが、賢治の口を通して直接語られたことを伝えているという点で前者より信頼できる発生源を示しているという結論を追加した。
2. 以上の発生源捜索の結論は冒頭の語り手の問い「いづちの河のけしきぞや」の答え(「私の世界」を流れる「黒い河」の「けしき」)ともなっているということを明かにした。
3.そして本項全体の結びとして賢治文学において「青びとのながれ」が果たした役割について6行弱の要約を追加した。 以上3点が昨年末の第2刷における主要な補足である。
・口頭発表の場を借りてこれらの補足についてさらに詳細な説明をしたい。
・参加された方々のご教示を頂ければと期待しております。
※会場における対面方式の発表です。
二人目 百選p483 歌稿B759 サイプレス/忿りは燃えて/天雲のうづ巻をさへ灼かんとすなり。 尾崎 道明(おざき・みちあき)氏
おそらく1920年から1921年にかけて、賢治の無断上京と東京での自活生活の前後に、ゴッホの糸杉の絵に触発されて詠まれた歌である。この歌について、賢治の心象とそれを表現する詩の言葉が短歌から詩へと様々に変容しながら繰り返し現れること、また、この歌に感じられる不安と希望の背景に、賢治の自らの将来に対する苦悩に加え、ロシア革命からシベリア出兵へと至る時代の動きと、白樺派の活動にも現れている、当時の日本における「ルネサンス」的状況の存在があることを、ゴッホの作品の図版を含む資料に基づき発表したい。
※会場における対面方式の発表です。
三人目 百選p238 歌稿B319 いまはいざ/僧堂に入らん/あかつきの、般若心経、/夜の普門品 p356 歌稿B504 おきなぐさ/ふさふさのびて/青ぞらにうちかぶさりて/ひらめき出でぬ。 小田部耕二(おたべ・こうじ)氏
私は賢治が大好きな自称ケンジストの一人であり、賢治のような凡人とは違う感性を持つことにあこがれて、少しでも賢治に近づきたいと思っている。そして、賢治が座禅していたことが私の人生に大きな影響を与えた。賢治と座禅に関しての資料は少ないが、その関係について考えてみたい。また、時間があれば賢治が魅了されていたおきなぐさに関しても、その魅力を探ってみたい。
※リモート方式の発表です。
四人目 百選p408 歌稿B585 雲ひくき/青山つゞきさびしさは/百合のにほひに/とんぼ返りす。 須長 裕子(すなが・ゆうこ)氏
盛岡高等農林学校三年生、大正六年七月に詠まれたもの。歩きながら多作していく賢治の制作スタイルから、実体験を基にした一首に込められた内容とはどのようなものなのか。この短歌の「百合のにほひ」は何かを意味しているのかを考えてみたい。賢治作品には「百合」をモチーフにした童話「ガドルフの百合」「四又の百合」や短歌を数首、文語詩にも登場する。「百合」は概ね崇高なものとして書かれているようだが、これらの作品の中の「百合」を取り巻く環境など、「百合」の存在に注目し、それらの情景などを想像をしながら、みてゆきたい。
※会場における対面方式の発表です。
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