開催日 平成30年12月1日(土) | 開場 13:00 |
会場 渋谷区氷川区民会館 | 開会 13:30 終了予定16:30 |
会場整理費 500円 |
※ 午後時間の開催です。
[box title=”発表者と演題” color=”#a9a9a9″](前半) 岡村 民夫(おかむらたみお)氏
宮沢賢治と活動写真
宮沢賢治における映画の影響を考える場合、ともすれば忘れられがちなのは、彼の生前における映画(活動写真)の興行形態・受容形態が現在のそれらと非常に異なっていたという側面である。本発表では、花巻・盛岡の映画上映のあり方、幻燈・ジオラマ・演劇等の隣接メディア、弁士や学士の存在に注意を払いながら、「雪渡り」、「〔冬のスケッチ〕」、「セロ弾きのゴーシュ」、「双子の星」、「グスコーブドリの伝記」、「銀河鉄道の夜」等を再検討したい。同世代の作家・稲垣足穂の映画経験との比較を通し、フランスの初期ファンタジー映画が賢治文学に大きな痕跡を残したとする仮説を提示することにもなる。また、ゴーシュのモデルをめぐる新説も呈示する。
(宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員、表彰文化論学会会員、法政大学教授、会員)
(後半) 伊藤 卓美(いとうたくみ)氏
賢治の”光”の”色”を考える
―水彩画を再現してみて―
校本全集には、賢治の描いた水彩画が6点記録されている。
カラー写真で掲載されているが、その中野「月夜のでんしんばしら」(仮名)・「竜巻の絵」(仮名)・の2点が”戦災での焼失により現存せず。原画のモノクローム写真が残されていたものに、宮沢清六氏の監修によって彩色したもの”となっていた。
白黒の写真の上に色を付けたようなので、暗い絵で、他の水彩画と異質なものだった。注釈を読まなかった人には「賢治はこんな暗い絵を描く人だった」と云うイメージを与えるのではと、私は危惧していた。
賢治の童話には、透明感のある”色”の表現が多用されているので、実際の賢治の{色感」はどうだったのだろうかと、水彩画を顕彰、その再現を試みてみた。
(木版画家)