例会

4月334回例会のご案内

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※ 前後半共々会場対面の予定です。リモート配信はあります。会場は氷川区民会館
です

前半 演題と発表者 演題 宮澤賢治の言語戦略―フィナーレ 大塚常樹(おおつか・つねき)氏
 私は2010年から、賢治が自身の思想を読者に効果的に伝えるために、言葉がもつ様々な要素や効果をどのように駆使したのかを「言語戦略」という名で研究テーマとし、その見取り図を本研究会で発表してきた。これまでに、賢治が法華信仰、妙見信仰と法華経の象徴としての白い蓮を別の白い花に置き換えるなど表面に出ないようにしてきたこと、語りの方法として枠物語や、逸脱する語り手、信頼出来ない語り手などをうまく使い分けたこと、オノマトペでD音等の濁音の、大きいものから出る低音という音象徴を効果的に使っていること、「~のもの」という種と類の関係を利用した提喩を使って同じ性質をもつ個別例同士の関係へ想像力を喚起させていること、幻想的な話や虚構とリアルな現実との境界を巧みに設定して、読者にリアリティを感じさせる工夫をしていること、これらを論文化した。言語戦略として最後に残されているのは、賢治が物語の最後にどのような決着を付けているかである。賢治テクストは、既成の価値観を異化、あるいは反転させることで世界のあり方を根本から変える戦略を基底に持っている。それには物語の最後にどのような反転、どのようなメッセージを読者に伝えるのかが重要である。論者は詩人として活動をしているが、詩の良し悪しは最後のフレーズで決まると考えている。言語戦略は対読者戦略でもあり、本テーマ追究のフィナーレとして、賢治テクストの「終え方」の戦略を考えてみたい。
(詩人〈日本現代詩人会会員〉、お茶の水女子大学名誉教授)
※会場における対面による発表+リモート配信。

後半 演題と発表者 演題 『銀河の図書室』の作者・名取佐和子(なとり・さわこ)さんにインタビュー
 4月例会の後半では、宮沢賢治の作品をモチーフに現代の高校生活を描いた『銀河の図書室』の作者・名取佐和子さんにインタビューを行います。
 名取佐和子さんは、ゲームシナリオライターを経て小説家に転身。兵庫県神戸市に生まれ、神奈川県藤沢市に育ち、2015年に『ペンギン鉄道なくしもの係』でエキナカ書店大賞受賞。2024年8月刊行の『銀河の図書室』では、「宮沢賢治」を研究する高校生の「イーハトー部」の活動を描き、話題を集めています。
 名取さんの作品には、『金曜日の本屋さん』(2018年2月)で「銀河鉄道の夜」が取り上げられ、『銀河の図書室』では「銀河鉄道の夜」と「ほんとうの幸」が物語の鍵となっています。また、読書や図書室の重要性も作品を通じて繰り返し描かれます。今回のインタビューでは、名取さんが宮沢賢治作品とどのように出会ったのか、『銀河の図書室』の創作と宮沢賢治作品とのかかわり、『銀河の図書室』へ込めた想い、そして図書室の役割やこれからの読書に関してお話を伺いたいと思います。
 インタビュー 大島丈志 文教大学教授
※ 会場における対面による発表+リモート配信。
 
※ 今回のインタビューにおいては必然的に「課題図書」的な扱いとなりますので、可能な限り事前の読了をお願いします。入手先の一例を示しておきます。
※ リリース案内文

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2月333回例会のご案内

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※ 前後半共々会場対面の予定です。リモート配信はあります。会場は氷川区民会館
です

前半 演題と発表者 演題 「18歳の法華経との出会い、そして3つの物語」 大角 修(おおかど・おさむ)氏
 賢治は18歳の大正3年(1914)9月に「島地大等編『漢和対照 妙法蓮華経』を読み、からだがふるえるほど感動したという。
 それはどういうことだったのかを生家の宗旨(真宗大谷派)と島地の法華経から考えてみます。
 その後、賢治は詩や童話に法華経を秘かに沈め置いています。その例として「フランドン農学校の豚」「なめとこ山の熊」「銀河鉄道の夜」のラストシーンを取り上げます。それは賢治の作品に見られるパターンのひとつであり、娑婆即寂光の物語であると思われます。
(研究会役員)
※会場における対面による発表+リモート配信。

後半 演題と発表者 演題 民俗学者としての宮沢賢治 岡村民夫(おかむら・たみお)氏
 宮沢賢治の民俗学者的側面について紹介・考察します。『宮沢賢治論 心象の大地へ』(2020年)、「宮沢賢治と遠野物語的世界」(『現代思想』総特集・遠野物語を読む、2022年6月)、「『竜と詩人』小論 詩から「設計」への転回を海蝕洞窟に見る」(『賢治学』2020年6月)に書いたこととかなり重複しますが、フィールドワークという次元でまとめたいと思います。また、紙媒体では制約した映像資料や宮沢本家文書を呈示します。具体的には、ザシキワラシ、巨人、竜神、雷神、修験道といった事項や、海、川、野、山といった環境が話題となる予定です。
法政大学教授(表象文化論、場所論)
※会場における対面による発表+リモート配信。
 

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12月332回例会のご案内

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※ 前半がリモートと会場対面、後半が会場対面の予定です。会場は渋谷区勤労福祉
会館です

前半 演題と発表者 インタビューと座談会 「当世賢治書店主気質」 兵庫西宮「ポラン堂古書店」森本智子(もりもと・ともこ)氏、岩手大迫「賢治文庫」塩野夕子(しおの・ゆうこ)氏、司会村上英一
 以前ならば町に普通に存在した大小の書店が、一つずつ無くなって行く原因は、書物が担ってきた文化の態様の変化にあるとして、それらの現実は文字・文書による情報収集の形式の変化や、ネット販売による流通の変化、あるいは読書や文学に言われる「衰退」なども関係するのでしょう。そもそもを考えれば価値観の変化、そして根本は経済の衰退が原因として大きいと考えます。
 そう言う状況の中で、旧来の書店の形式をとりながら書籍における販売や閲覧、扱う書物の選定のスタイルに、新機軸を採用した書店の報道も目にします。今回は、その中で「宮沢賢治」をメインに据えた試みを展開されている例をご紹介します。
 岩手大迫「賢治文庫」は図書館でもなく、書店でもありません。兵庫西宮の「ポラン堂古書店」も単純な古書店として括れません。普通に考えると、それぞれの運営は簡単ではなさそうですが、各々の趣旨、業態はもとより、あえてその様な環境に身を投じた勝算、目算などのお話を伺って、これらが出現した必然性などに迫ることが出来ればと思いました。最前線のイノベーターとも呼ぶべきお二人をお呼びして、Zoomで繋ぎ、お話を伺う機会を用意しました。
(構成:宮沢賢治研究会)
※リモート+司会者は会場における対面

後半 演題と発表者 演題 『子供の力』の基礎的研究と「月夜のでんしんばしら」論 牧 千夏(まき・ちなつ)氏
 本発表では、最近花巻で発見された『子供の力』という雑誌について、基礎的な事項を明らかにするとともに、この雑誌に再掲載された「月夜のでんしんばしら」を考察する。『子供の力』の記事の執筆者および掲載された綴方の執筆者の調査から、この雑誌は稗貫・和賀郡を中心とした民間の教育雑誌であることが分かった。教育方針は新教育的だといえる。編集発行人および『子供の力』に賛同した小学校校長が、基本的に児童の個性を尊重する教育論を書いていたからである。さらにこの雑誌が1928年に創刊していることから、北方教育運動との関係についても調査した。北方教育は、秋田で生まれた教育運動であり、綴方教育を中心とした実践である。岩手にもその実践者がいた。『子供の力』は、綴方教育に力点があることにおいて、北方教育に一脈つながるが、対象児童や教育方針については異なっていた。以上の『子供の力』の基礎的な調査を踏まえて、それに再掲載された『月夜のでんしんばしら』を解釈する。「月夜のでんしんばしら』のひとつのテーマである「きりつ」の分析を行う。
(奈良教育大学)
※会場における対面による発表+リモート配信。
 

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10月331回例会のご案内

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 口 上
 今回の試みは、人により条件が異なるので、必ずしも「普遍的」とは言いがたい部分があります。そこらを注意しながら、話題をすすめることは必要でしょう。
 さて、かなりの昔、バスを仕立てて足繁くイーハトーブに通った時期がありました。考えて見ると、その時から50年=半世紀の月日が経過しています。折しも花巻では『春と修羅』『注文の多い料理店』出版から百年と言う展示会を開催しています。と言うことは、現在から勘定してちょうど半分くらいの時期だったことになります。
 半世紀も経過すると、世の一般の考えもかなり様相を変えます。個人的には青春の若い時期に賢治と関わり、それをそのまま続けることが出来ました。昨今は、賢治やそもそもの文学自体の凋落傾向も言われますが、それをそのまま素直に信じるのも少々抗いたい気持ちです。それならば、そもそものあの青春のイーハトーブと言うものはどう言うものだったのだろうと考えました。長い間賢治に関わり続けて来られた理由の一つに、このイーハトーブ修学旅行の存在があった様にも思います。
 末尾に資料として整理しましたが、その70年代後半の「イーハトーブ修学旅行」を回顧することをおこない。現在から見て一体どのような位置づけが出来るのかを考えてみようと思いました。10月5日(土)開催の例会として構成します。前半を回顧、後半を解題としますが実際は、それほど厳密にはしないつもりです。
 これらの、元情報とするため当時の旅行参加者の皆様に、アンケートをお願いして、参考にしながら少々長すぎる半世紀を振り返ることが出来ればと思っています。これを例会の前半でおこないたいと存じます。

 後半では、数名の関係者にご参列賜り、「旅行」を受容史等の観点から、洗いなおし、世代の交代や国際化を含めた賢治関係活動の活力につなげるアイデアを探りたいと考えました。複数のご意見を賜ることが出来れば、あるいは方向性も見えてくればと期待します。もとより、感覚的には個人の経験なので、人により、あるいは前後十年ほどの時代的な差により条件も異なるでしょう。それらをも含んだ上で「大回顧」が出来ればと思うのです。
 リモートでつないだお話になる予定です。乞うご期待。
8月3日(土)通常の例会の枠で開催します。(構成:宮沢賢治研究会・7月15日記)

WordPress Data Table ※ 会場は渋谷区勤労福祉会館です
■リモート例会のお申し込みについて/コロナ下における例会開催についての説明

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8月330回例会のご案内

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 口 上
 こと、賢治に限らず優れた思想や精神活動が世界レベルに至るには、そもそも本質が受け入れられることが基本です。その橋渡しをするのは国や民族を超える「言語の跳躍力」であり、その能力を持った人材は、留学生などの形で現れます。ただ幾分不思議なのは、多くの文学作品がありながら、賢治に導かれる理由があることです。そう言う意味では自分も導かれた一人であることに気づくのですが、それでは、その理由を良く理解しているかと自問すれば、必ずしもそうでもありません。
 言語のハードルの他に時間のハードルもあるでしょう。国民的作家として勢いがあったとしても生誕百年以降その勢いを維持しているとも言えません。古典化して時代を超えて受け入れられる存在になるには、上記本質のまた別の面の強靱さも求められます。対応する発掘作業も必要でしょう。
 半世紀前のイーハトーブは、国内の各地から目指す「別世界」でしたが、現在は、交通手段の進化に伴い「日常」に吸収されました。その、遠近の関係性は失われてしまったのだろうかと考えた先に、あらためて海外との関係に関心が向かいました。
 賢治の翻訳や、決して少なくない数の留学生。我々はしばらくの時間、この辺りにもっと目を向けるべきではなかったのかと反省するところです。例会ではここらの実態、あるいは留学生のその後について、あらためることをし、それぞれの位置関係を確認します。
 リモートでつないだお話になる予定です。乞うご期待。
8月3日(土)通常の例会の枠で開催します。(構成:宮沢賢治研究会・7月15日記)

※ 今回はインタビュー、座談会、そしてアトラクションの構成になります。登壇者三名は国内在住、お一人はイランで、いずれもリモート参加です。司会は会場でおこないます。会場は渋谷区氷川区民会館です

会員からの質問コーナー
 会員の皆様からも、ご質問を受けたいと思います。事前に登壇者四人分のアンケートを送付します。アンケートに関連しても、しなくても良いので、ご質問のある方は会のお問い合わせフォームに「質問」と書いて、お一人一問のみ、簡潔におまとめの上送信して下さい。締め切りを7月28日(日)とします。なお、お預かりした質問は、司会者で整理した上で、登壇者とやりとりします。すべての質問に回答は出来ない場合もあると思いますので、あしからずご了承ください。

■リモート例会のお申し込みについて/コロナ下における例会開催についての説明

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