開催日 平成24年12月1日(土)
会場 渋谷区千駄ヶ谷区民会館
開場 13:00
開会 13:30 終了予定16:30
会場整理費 500円
※ 午後時間の開催です。
演題と発表者
(前半) 山崎 善男 氏 「月夜のけだもの」から賢治の動物童話の特徴を探る (後半) 秋枝 美保 氏 詩篇「春と修羅」における「修羅」 ―心象の形成過程とその後の展開について―
※「発表概要」は、下の「続を読む:」を参照願います。
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(前半) 山崎 善男 氏
「月夜のけだもの」から賢治の動物童話の特徴を探る
賢治の童話は動物が多く出てくるので、子供に親しみ易い印象を与えてしまう。しかし、必ずしも子供にわかり易い作品ばかりではない。「月夜のけだもの」という童話はわかり易く面白い作品であるが、賢治童話の中で知名度が低い作品である。それはどういう理由で低いのか。その謎を考察すると共に、この童話の特徴と賢治の動物童話の特徴の一端を提示したい。
(宮沢賢治研究会会員)
(後半) 秋枝 美保 氏
詩篇「春と修羅」における「修羅」
―心象の形成過程とその後の展開について―
詩篇「春と修羅」は、「mental sketch modified」という副題が付いていること、また詩集『春と修羅』印刷過程においてかなり後の時期に成立したと考えられているものである。また、その詩に登場するイメージは、短歌「ゴオホサイプレスの歌」「ひのきの歌」連作との関連が考えられるなど、そこに畳み込まれている心象は大正七,八年から大正十三年前後にかけての長い期間の背景を持つと思われる。その間の賢治の心象の展開を通して、「修羅」の成立過程を追ってみたい。
(福山大学人間文化学部教授。著書に『宮沢賢治 北方への志向』『宮沢賢治の文学と思想―透明な幽霊の複合体 開かれた自己―「孤立系」からの解放』など。)