7月短歌読書会

開催日 08.gif 平成22年7月3日(土)
会場 08.gif 渋谷区神宮前区民会館
開場 08.gif 17:30
開会
08.gif 18:00 終了予定21:00

※歌稿Aと歌稿Bとを並べます。

62 きら星のまたゝきに降る霜のかけら墓石石は月に照り(歌稿A)
62 きら星のまたゝきに降る霜のかけら、墓の石石は月光に照り。(歌稿B)
63 うす黒き暖炉にそむきひるのやすみだまつて壁のしみを見てあり(歌稿A)
63 でこぼこの暖炉にそむきひるのやすみだまつて壁のしみを見てあり。(歌稿B)
64 白きそらひかりを射けんいしころのつちぐりにあかつちうるうるとこゞえ(歌稿A)
64 白きそらひかりを射けんいしころのごとくもちらばる丘のつちぐり。(歌稿B)
65 つちぐりは石のごとくに散らばりぬ凍えし丘のあかつちだひら(歌稿A)
65 つちぐりは石のごとくに散らばりぬ 凍えしがけのあかつちだひら。(歌稿B)
66 あかるかに赤きまぼろしやぶらじとするよりたちぬ二本のかれ木(歌稿A)
66 あかるかに赤きまぼろしやぶらじとするより立ちぬ二本のかれ木。(歌稿B)(末尾に「。」の無い66’がある)
67 湧きいでてみねをながれて薄明の黄なるうつろに消ゆる雲かも(歌稿A)
67 湧き出でてみねを流れて薄明の黄なるうつろに消ゆる雲あり(歌稿B)
68 われ口を曲げ鼻をうごかせば西ぞらの黄金の一つ目はいかり立つなり(歌稿A)
68 こぜわしく鼻をうごかし西ぞらの黄の一つ目をいからして見ん。(歌稿B)
69 西ぞらのきんの一つ目うらめしくわれをながめてつとしづむなり(歌稿A)
69 西ぞらの黄金の一つめうらめしくわれをながめてつとしづむなり。(歌稿B)
70 寒行の声聞たちよ鈴の音にかゞやきいづる星もありけり(歌稿A)
71 厚朴の芽は封蠟をもて固められ氷のかけら青ぞらを馳す(歌稿A)
71 厚朴の芽は封〔蠟〕をもて堅められ氷のかけら青ぞらを馳す。(歌稿B)
72 粉薬は脳の奧までしみとほり痛み黄色の波をつくれり(歌稿A)
72 粉薬は脳の奧までしみとほり痛み黄いろの波をつくれり。(歌稿B)
73 屋根に来てそらに息せんうごかざるアルカリ色の雲よかなしも(歌稿A)
73 屋根に来てそらに息せんうごかざるアルカリいろの雲よかなしも。(歌稿B)
74 巨なる人のかばねを見んけはひ谷はまくろく刻まれにけり(歌稿A)
74 巨なる人のかばねを見んけはひ谷はまくろく刻まれにけり。(歌稿B)
75 風さむき岩手のやまにわれたいま校歌をうたふ先生もうたふ(歌稿A)
75 風さむき岩手のやまにわれらいま校歌をうたふ先生もうたふ。(歌稿B)
76 いたゞきの焼石を這ふ雲ありてわれらいま立つ西火口原(歌稿A)
76 いたゞきの焼石を這ふ雲ありてわれらいま立つ西火口原(歌稿B)
77 石投げなば雨ふると云ふうみの面はあまりに青くかなしかりけり(歌稿A)
77 石投げなば雨ふるといふうみの面はあまりに青くかなしかりけり。(歌稿B)
78 泡つぶやく声こそかなしいざ逃げんみづうみの碧の見るにたえねば(歌稿A)
78 泡つぶやく声こそかなしいざ逃げんみづうみの青の見るにたえねば。(歌稿B)
79 うしろよりにらむものありうしろよりわれらをにらむ青きものあり(歌稿A)
79 うしろよりにらむものありうしろよりわれらをにらむ青きものあり。(歌稿B)

Posted by 外山正

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