開催日 令和2年12月5日(土) | 開場 13:00 |
会場 渋谷区千駄ヶ谷区民会館 | 開会 13:30 終了予定16:45 |
会場整理費 500円 |
※ 午後時間の開催です。10月に開催した総会で、宮沢賢治研究会の例会開催時間帯は全て午後時間開催とすることになりました。
※ 12月の例会は、現在のところ開催の予定ではありますが、新型コロナウイルスの都の感染者数が、ここへ来て第三波と呼べるくらいに増加傾向を示し、対応する施策についても有効に打てている状況とは言えません。今後の状況(公共施設の閉鎖なども含む)により、開催出来ない可能性もあります。状況が変わった時の案内は、逐一このホームページで行いますので、ご参加の折は確認をお願いします。
※例会会場では、手指消毒剤の用意、換気、個人間の離隔距離の確保など、感染防止対策を行います。参加される方は、来館前の検温・体調の確認、マスクの着用、手指の消毒等にご協力をお願いいたします。 [box title=”発表者と演題” color=”#a9a9a9″](前半) 加藤 碵一(かとうひろかず)氏
◉宮沢賢治における「○象」攷
-地文学の観点から-
明治~大正期には、数多くの「〇象」という語彙が今以上に用いられていたことをご存じでしょうか。賢治作品にもあまりにも有名な「心象」を始めとして「現象」「気象」「光象」「風象」「景象」「物象」「万象」「印象」などが登場しますが、それらに属する具体的な語彙・用語は、はるかに数多く作品に出てきます(一部死語化)。当時「地文学」を始め著しく発展した関連諸学問と先行研究を踏まえて検討したいと思います。
Ⅰ. 「○象」概論:「外的○象」「内的○象」
Ⅱ.天象・宇宙:天球・銀河・太陽系
◆「銀河系の玲瓏レンズ」◆「宇宙塵」
Ⅲ.地象・地圏:地文学・地球物理学・土壌学
◆「みかげの胃」◆地殻・マントル
Ⅳ.水象・水圏:水文学・海洋学
◆海蝕台地◆タスカローラ◆海潚◆パシフィック
Ⅴ.気象・気圏
◆「天気輪の柱」◆極光
(産業技術総合研究所名誉リサーチャー・会員)
(後半) 鎌田 東二(かまたとうじ)氏
野の科学と宗教~宮沢賢治と南方熊楠
新型コロナウイルスの感染拡大により、社会全体に大きな変化が起きています。100年以上前、このような事態に警鐘を鳴らし、準備をしていたのが、野の科学をもとに、独自の道を探究した宮沢賢治と南方熊楠だったと思います。その二人の「M・K」の生態智に満ちたメッセージを聴いてみたいと考えます。
参考文献:『宗教と霊性』(角川選書、1995年)、『エッジの思想』『翁童のコスモロジー』(ともに新曜社、2000年)、『南方熊楠と宮沢賢治』(平凡社新書、2020年)
(京都大学名誉教授・宗教学)