開催日 平成30年6月2日(土) | 開場 17:30 |
会場 渋谷区千駄ヶ谷区民会館 | 開会 18:00 終了予定21:00 |
会場整理費 500円 |
※ 夜時間の開催です。
[box title=”発表者と演題” color=”#a9a9a9″](前半) 秋枝美保(あきえだみほ)氏
啄木文学の到達点と賢治の心象スケッチ
啄木『一握の砂』(一九一〇・明治四十三年)が賢治の短歌執筆に影響を及ぼしたであろうことはすでに佐藤通雅をはじめ言及のあるところであるが、両者の作品についての具体的な指摘はそれほどなされていない。啄木の到達点と賢治の短歌及びその後の「心象スケッチ」への展開との関係を、啄木の晩年の詩論「食ふべき詩」および晩年の短歌作品と賢治の作品とを比較して検証する。啄木が北海道から再度上京して後、文学について新たな境地に立ったことはすでに指摘のあるところであり、短歌創作についても新たな自覚が生じていた。その中で「詩は所謂詩であつては可けない。人間の感情生活(もつと適当な言葉もあらうと思ふが)の変化の厳密なる報告、正直なる日記でなければならぬ。〔中略〕―まとまりがあつてはならぬ。」と述べており、その意味と実作の関係を検討するとともに、賢治の作品と比較し、両者の立場の連続性について指摘する。
(会員、福山大学人間文化学部教授)
(中間) 総会(30分の予定)
(後半) ものがたりグループ☆ポランの会 彩木香里(さいきかほり)、小川智代(おがわともよ)他 氏
朗読 心象スケッチ『春と修羅』より
ものがたりグループ☆ポランの会は、2004年から、宮澤賢治の童話の全作品上演を目指して活動しています。
宮澤賢治が描いた情景や状況、紡がれた言葉やリズムを物語のまま伝えたいという想いから原作に書かれてあるまま表現することを基本とし、一人で語る「一人語り」、数人で演ずる「語り合わせ」、「朗読」の3つのスタイルで表現しています。
いままでは、ほとんど童話を中心に活動して来ましたが、今回、機会をいただいて、宮澤賢治の「詩」に本格的に挑戦します。一般に通常の話し言葉で構成される「童話」と異なり、「詩」はその一つ一つの言葉に、イメージの凝縮があり、対象作品によっては「音声」に移し替える作業がかなり難しいものもあります。同時に、童話朗読には無かった面白さなども感じているところです。ご期待下さい。
朗読予定作品は、心象スケッチ『春と修羅』より、序、春と修羅、小岩井農場パート7(部分)、小岩井農場パート9、岩手山、東岩手火山(部分)、無声慟哭、青森挽歌(部分)、噴火湾(ノクターン)、不貧欲戒、初版本目次を準備していますが、全体の構成から、ある程度省く可能性がありますので、よろしくお願いします。
(会員)