開催日 平成26年10月4日(土) | 開場 13:00 |
会場 渋谷区代々木区民会館 | 開会 13:30 終了予定16:30 |
会場整理費 500円 |
※ 午後時間の開催です。 [box title=”発表者と演題” color=”#a9a9a9″](前半) 大角 修 氏
宮沢賢治と華厳の海
「スールダッタよ、あのうたこそはわたしのうたで、ひとしくおまえのうたである。いったいわたしはこの洞に居て、うたったのであるか考えたのであるか。(中略)そのときわたしは雲であり風であった そして、おまえも雲であり風であった。」
賢治の文学はキリスト教や東北の風俗をも表現に取り込んだ幅広いものだった。仏典も法華経に限らない。この「竜と詩人」の一節は華厳経の世界を思わせる。もしかしたら賢治の創作のヒントになったかもしれない華厳世界の幻想的なイメージを取り上げたい。
(宮沢賢治研究会会員、宗教評論家。著書に、『「宮沢賢治」の誕生』『イーハトーブ悪人列伝』など。)
臨時総会
会長、事務局長、「賢治研究」編集長他の退任表明に伴い、役員改選を行います。
(後半) 中地 文 氏
「大正十年の賢治と「あまの川」「雪渡り」
大正十年に賢治が東京で何を考え、どのような活動をしていたのかという問題については、残されている情報が少ないなか、いくつもの論考が提出されてきている。しかし、同年七月十三日消印の関徳弥宛書簡に記された「これからの宗教は芸術です。これからの芸術は宗教です」という表現と、当時の賢治の創作との関係をはじめ、まだ検討すべき課題は残されているのではないか。本発表では、大正十年になぜ童謡「あまの川」、童話「雪渡り」が執筆・発表されたのかを問うことで、賢治の滞京時の活動と思考の一端を探ってみたい。
(宮沢賢治研究会会員、宮城教育大学教授)[/box]