開催日 平成23年8月6日(土)
会場 千駄ヶ谷区民会館
開場 13:00
開会 13:30 終了予定16:30
会場整理費 500円
※ 本来夜間開催の時期ですが、渋谷区の公共施設の確保が困難な状態で、午後時間のまま開催します。
※ 会場案内図
演題と発表者
【前半】 大竹 智美 氏 宮沢賢治―「一九二四、四、六、」の心象スケッチ連作―
【後半】 杉浦 静 氏 宮沢賢治とダ〔ー〕ルケ
※「発表概要」は、下の「続を読む:」を参照願います。
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(前半) 大竹 智美 氏 宮沢賢治―「一九二四、四、六、」の心象スケッチ連作―
『春と修羅 第二集』の中で、「一九二四、四、六、」の同一日付をもち、内容的には連続する心象スケッチを分析し、推敲過程をたどりながら、どのようにスケッチが変容していくのかを明らかにする。今回の発表では、「三五 測候所」と「四五 海蝕台地」の二つのスケッチから連作の検討に入り、逐次推敲過程をたどりながら、「その時々の定稿」の各段階を考察していく。
(宮沢賢治研究会会員、大妻女子大学大学院研究生。)
(後半) 杉浦 静 氏 宮沢賢治とダ〔ー〕ルケ
宮沢賢治のダルケ受容については、小倉豊文・須田浅一郎氏の言及を先駆けとして、天沢退二郎・木村東吉・秋枝美保・水野達朗・大明敦氏などにより、精緻な検討が積み重ねられてきた。特に秋枝・水野両氏の論は、高桑純天訳『仏教の世界観』(大正15)におけるダルケの仏教観を徹底的に検証し、それが宮沢賢治の世界観にどのような影響を与え、賢治の世界観をどのように変容させたか、を解明しようとするものであった。しかし、これらの研究の決定的な弱点は、宮沢賢治が、いつどのような形でダルケの著作にふれたのかに対して推測を重ねるしかなかったところにあった。今回の発表では、賢治とダルケを結ぶ(かもしれない)新資料を紹介するとともに、賢治はダルケをどのように受容したのかについて、あらためて考えてみたい。
(大妻女子大学文学部教授。著書に、『宮沢賢治 明滅する春と修羅』、『新編宮沢賢治歌集』(共編著)、『図説 宮澤賢治』(共編)など。)