開催日 令和元年12月7日(土) | 開場 13:00 |
会場 渋谷区千駄ヶ谷区民会館 | 開会 13:30 終了予定16:45 |
会場整理費 500円 |
※ 午後時間の開催です。
[box title=”発表者と演題” color=”#a9a9a9″](前半) 伊藤 雅子(いとうまさこ)氏
裏読み「土神ときつね」
―女難の始まり―
本作は女の樺の木に恋した土神が、恋敵の狐に嫉妬し無礼に逆上して殺す話。非常に生々しくて、つい賢治が巻き込まれたのではと疑ってしまう。
土神と狐を賢治の分身とみる説がある。筆者はそれにとどまらず樺の木にも賢治の影が濃いと感じる。たとえば花巻高女同窓生の間で良縁と認識されたはず。嫉妬の火花が散ったとしてもおかしくない。
土神をドジンと発音したときの駄洒落、創作メモ、執筆年代を考え合わせると、某女の存在に気づく、樺の木と土神と狐は、某女の性格を三分割し、賢治の性格を混ぜて三者の個性とし、関係者をぼかしたうえで、横恋慕による破局を描いたのでは?以上の仮説のもと本作内外を検討したい。
(会員)
(後半) 萩原 昌好(はぎわらまさよし)氏
羅須地人協会の頃の賢治
発表趣旨
(1)なぜ羅須地人協会へ移ったのか。
宗教的動機
父からの脱出
(2)「農民芸術概論」と地人への道
(3)新たな在家仏教信仰者として
国柱会から新信行へ
(4)河口慧海の「在家仏教」論
(5)高瀬 露と伊藤チヱ
以上の五点から、彼の言う「修羅の成仏」への過程を再検討する。
(埼玉大学名誉教授・会員)